大仙市高梨地区で現在、空き家アパートや耕作放棄地を活用したエコビレッジ「TAKANASHI EARTH VILLAGE(タカナシアースビレッジ)」の整備計画が進んでいる。
「TAKANASHI EARTH VILLAGE」のビジョンマップ
地域住民や旅人が集う「また帰ってこられる居場所」づくりを目指すのは、古民家食堂「高梨商店」(「高」は、はしごだかが正式表記)を営む松本紘幸さんと松本さとりさん。2020年に大仙市へ移住し、食堂運営やマルシェ、コミュニティーガーデンなどを通じて、人が集う場づくりに取り組んできた。
計画では、空き家になっているアパートを改修し、ゲストハウス「TABITO MINORI(タビトミノリ)」として再生するほか、耕作放棄地を地域住民の菜園として活用し、「泊まる・食べる・耕す・つながる」を一体化した交流拠点づくりを目指す。
松本さん夫妻は移住前から国内外のエコビレッジやコミュニティーを訪れ、人と人が支え合いながら暮らしをつくる在り方に魅力を感じたという。移住後は地域との関係づくりを重ねながら構想を温めてきた。昨年、店舗向かいのアパートが空いたことをきっかけに、計画を具体化した。
ゲストハウスは全6室・最大17人が宿泊可能。名称は長女のみのりさんと長男の旅土(たびと)君の名前に由来する。「実りある人生」と「旅をして、どこかで地に足のついた人生を歩んでほしい」という願いを込めた名前が、施設のコンセプトとも重なったという。
2027年2月の開業を予定し、7月から改修工事を始める。改修には土間やもみ殻断熱などを一部取り入れ、ワークショップ形式で参加者と共に作り上げる予定。外壁には、高梨商店のキッチンカーのデザインを手がけたペインティングユニット「Gravityfree(グラビティフリー)」が自然・食・人・旅をテーマにした壁画を描く。
将来的には小型住宅「タイニーハウス」や水や電気を使わないコンポストトイレなども整備し、自然の循環を生かした自給的な暮らしを体感できるオフグリッドエリアも構想する。コミュニティーガーデンや高梨商店と連携しながら、人と人、人と地域がつながる場づくりを進める。
「地域の方と旅人が交わり、一緒にご飯を作ったりたき火を囲んだりできる場所にしたい。地域のひとには『秋田っていいところだな』と思ってもらいたいし、旅人には秋田を好きになってほしい。ここがみんなの心の居場所の一つになれば」とさとりさん。紘幸さんは「何かをしに来てもいいし、何もしなくてもいい。一年に一回でもいいから、ふらっと立ち寄ってくれた時に自然と『久しぶり』『おかえり』と言える場所になれば」と話す。
計画実現に向け現在、クラウドファンディングサイト「for Good」で協力を呼びかけている。目標額は200万円。募集は7月末まで。