「大仙アカデミー」が7月7日、大曲市民会館小ホール(大仙市大曲日の出町)で開かれ、オガール(岩手県)社長の岡崎正信さんが講演した。
公民連携による「オガールプロジェクト」の事例をスライドで紹介
同講座は、市民同士のつながりや絆を再認識し、市民が主体となるまちづくりへの参加を促そうと大仙市が開催している。12回目となる今回は、「まちの未来をこの手でつくる-大仙から動き出す地域創生-」をテーマに、公民連携によるまちづくりの実践例などを紹介した。
講演に先立ち、老松博行市長は「持続可能なまちづくりは市の最優先課題。行政主導ではなく一人一人がまちのことを考え、新たな交流や活動を生み出すきっかけになれば」とあいさつした。
岡崎さんは、人口約3万3000人の岩手県紫波町で進めてきた「オガールプロジェクト」を紹介。行政と民間が連携し、公共空間の価値を高めながら、図書館や商業施設、バレーボール専用アリーナ、住宅などを整備してきた経緯を説明した。
「公民連携には民間の知恵や技術が必要。ただ実行するための権限や覚悟、勇気は行政側にある。その両方をうまく組み合わせることが公民連携」と岡崎さん。「市民のためになる公権力を上手に使いこなす官と民が存在する地域には可能性が宿る」と語った。
講演終盤には、大仙市へのメッセージとして「生きる歓(よろこ)びがまちをつくる」と題した考え方を紹介。「花火大会の時の大仙は、みんなが生き生きしている。仕事よりも人生、効率よりも情熱、目先の合理性よりも心が動くことを大切にする生き方が地方の風景をつくる。人が人らしく生きることこそが、まちの生命力になる」と話した。
さらに、「行政は地域で最大の地主。その価値を高めればエリア全体の価値も上がる。市民の側から行政を仲間として巻き込んでほしい。一緒になれば、とてつもないポテンシャルを発揮する」と呼びかけ、「人任せになった瞬間に自分の街ではなくなる。文句を言うだけでは前に進まない。官と民が建設的な意見を出し合い、正しい公権力を発揮することが大切」と訴えた。
当日は285人が来場。岡崎さんが自身の失敗談や挑戦してきた経験をユーモアを交えて紹介すると笑いが起こるなど、参加者は時折笑顔を見せながら耳を傾けた。
講演後の質疑応答では、大仙市市地域おこし協力隊の明石浩一さんから「活動の規模が大きくなると人材不足に直面する。人を集めるための極意はあるか」と質問があり、岡崎さんは「人が集まる理由は『楽しい』こと。来た人が『また来たい』と思える場をつくることが大切」と答えた。
「大手デベロッパーにも勝てる強みは何か」との質問には、「私たちが目指すマーケットは、大手とは違う。地元の人たちと一緒に地域をつくることがローカルデベロッパーの強み」と説明。「これからは、地域や事業に共感してもらえる『共感資金』を集めることが重要になる」とも。