遡上(そじょう)するサケを捕獲する「ウライ」が9月23日、大仙市大曲の丸子橋橋上公園の真下に設けられた。
60年以上にわたり、サケの捕獲・採卵・ふ化増殖、毎年7000尾ほどのサケの捕獲と200万尾ほどの稚魚の放流などに取り組む雄物川鮭(さけ)増殖漁業生産組合(大仙市花館)が、雄物川水系の玉川と丸子川の2カ所に設けるウライ。丸子川への設置は今年で7年目を数える。
三浦尚組合長は「捕獲数は毎年800~1000尾。雄物川流域は、江戸時代から川舟交通の歴史やサケや川カニ料理などの食文化がある。歴史や文化の継承の観点から、市民が遡上するサケの姿や捕獲の様子を橋の上から観察できる丸子川のウライは貴重」と話す。
ウライの設置作業は、組合員15人が重機やクレーンなどを使い一日かけて終えたが、上流からの生活ごみなどがウライにかかることから、「毎朝、組合員が捕獲したサケの回収に合わせてごみの撤去に追われる」という。
「大仙市やボランティアの協力を得て、川から回収したごみを市民の目に付くよう、あえて河原に積み上げることを検討している。ごみを投棄しないよう呼びかけるなど、モラルの向上を通じた河川環境の保全につなげられれば」と話す。