民謡「秋田おはら節」の全国大会が9月2日、大仙市太田文化プラザ(大仙市太田町太田)で4年ぶりに開かれた。
昭和の初め、「日本三大おはら節」の一つに数えられる「津軽小原節」の低音部分を「見せ場」としてうたったことが始まりとされる「秋田おはら節」。母鹿が子鹿への情愛を切々とうたう歌詞で、1987(昭和62)年に旧太田町の高橋節子さんが日本民謡大賞で日本一に輝いたことなどから地元で親しまれ、1996(平成8)年から同町で全国大会が開かれる。
コロナ禍のため4年ぶり25回目の開催となる今年は、高校生以上が対象の大賞の部に25人、満70歳以上が対象となる熟年の部に37人、中学生以下の部には3人が出場。大賞の部には、北海道や愛媛県からの参加者も見られ、日頃から鍛え上げた自慢ののどを披露した。
大賞の部は秋田市在住の倉田珠衣さん、70歳以上の部は由利本荘市在住の三浦九十九さんが優勝。中学校以下の部は、秋田市在住の山田千尋さんが優秀賞に輝いた。89歳で出場者中最高齢だった秋田市在住の加藤五郎さんに特別賞が贈られた。
倉田さんは「地元で生まれ育ち、地元で生まれた唄で優勝できてうれしい。これをスタートと思い、もっとうたい込んで精進したい」と喜びを見せる。
審査委員長の秋田県民謡協会理事長の梅若梅祥さんは「難しい唄のため、息継ぎで差が出た。大会は4年ぶりだが、この間、倉田さんはよく練習していることが唄に出ていた」と評した。