大仙の水神社(大仙市豊川字観音堂)に祭られる秋田県内唯一の国宝「線刻千手観音等鏡像(せんこくせんじゅかんのんとうきょうぞう)」が8月17日、4年ぶりに一般公開された。
1677年に玉川から水路を引く際に発見され、当時の藩主・佐竹義処により水神様として祭られた線刻千手観音等鏡像。仏像が彫られた、8つの突起を持つ直径13.9センチ、厚さ6ミリ、重さ525グラムほどの青銅製の八稜鏡。1938(昭和13)年7月4日に裏面部分、1953(昭和28)年11月14日に表面が、それぞれ国宝に指定された。
年1回開帳しているが、一般公開は4年ぶり。太田晴子宮司と5人の神官によって例大祭が進められ、水神舞や山の神舞などの舞いを披露した後、一般公開した。
県内外から50人以上が訪れ、大仙市に所属するALT(外国語指導助手)が対象のツアー参加者らも足を運び、興味深げに拝観した。
来賓として招かれた老松博行大仙市長は「御神鏡を始め、市内には244の文化財がある」とし、「現在、文化財保存活用地域計画を進めている。地域の皆さまと連携しながら、貴重な文化財を後世に継承しながら、地域の活性化につなげていきたい」とあいさつ。
市内在住の女性は「教科書などで写真は見たことはあったが、実物は荘厳な雰囲気。一生に一度は見た方がいいと思った」と話していた。