「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)」に向け6月27日、伊豆山神社の境内(大仙市泉町)で、茅(ち)の輪づくりが行われた。
夏越の大祓は正月から半年間のけがれをはらう神事。神事に合わせ、茅の輪をくぐって残り半年の無病息災を祈る行事も行う。
茅の輪は、「備後国風土記」に記された蘇民将来(そみんしょうらい)の逸話に登場する神具が起源。一夜の宿を借りたお礼にスサノオノミコトが蘇民将来に伝えた「チガヤで輪を作り、腰に着けていると悪疫を免れることができる」という教えを守った蘇民の子孫は栄えることができたといわれている。腰に着けた茅の輪が、やがて人がくぐることができるほど大きくなって今に伝わるともいう。
今年で5年目を迎える同神社の茅の輪を作るのは、大仙市在住の佐々木耕造さんら3人。27日朝に集合し、刈り取った1000本以上のチガヤをモウソウチクで作った丸い輪に麻ひもで束ねて形を整え、一日がかりで完成させた。直径は1.8メートルほど。佐々木さんは「作製には伝統的な技術が必要。年を重ねるごとに上達しているので、どんどん良い物を作っていきたい」と話す。
同神社の三浦利規宮司によると、年々茅の輪をくぐりに来る人が増えているという。「今年の茅の輪も上出来。これを機に行事について深く知ってもらい、大曲に来る人が増えるとうれしい。けがれをはらい今年後半も元気で健康に過ごしてもらえたら」と参拝を呼びかける。
神事は6月30日10時挙行。雨天決行。茅の輪の設置は8月18日までを予定する。