
「鈴木空如筆 法隆寺金堂壁画展」が5月24日から、大仙市の太田文化プラザ(大仙市太田町太田新田田尻)で開かれている。
秋田県出身の仏教画家・鈴木空如は、奈良・法隆寺金堂壁画の模写に生涯をかけて取り組んだ人物。1907(明治40)年から1932(昭和7)年まで、26年間で3度原寸大で模写を行い、3組の模写絵が存在する。市では1作目と3作目を所有しており、今回の展示では、県指定有形文化財である3作目の12点に加え、クラウドファンディングで修復された1作目の8点(小壁)を初めて一般公開する。
26日には中仙市民会館ドンパルで、法隆寺第130代住職・古谷正覚さんによる講演会が行われた。約350人が来場し、聖徳太子の思想や仏教文化、法隆寺の歴史に耳を傾けた。
同展を担当する市文化財担当の星宮聡仁さんは「作品一つ一つが大きく、展示作業には多くの時間を要した。素材が和紙なので湿気や空調管理も難しく、慎重に準備を進めた」と話す。展示されている模写画は、最も大きいもので縦3メートル、横2.5メートル。縦長の作品も縦3メートル、横1.5メートルと、いずれも迫力が感じられるサイズとなっている。
星宮さんは「壁画展は2、3年に1度の開催で、リピーターも多い。模写画ながら本物に近い迫力があり、引き込まれる魅力がある。1949年に法隆寺の火災による壁画焼損で元の色彩は失われたが、空如の模写は当時の色味を伝える貴重な資料でもある。今回の展示を通して、鈴木空如の功績に改めて触れてもらえたら」と呼びかける。
開場時間は10時~16時(最終入場は15時30分)。入場無料。6月8日まで。